2009/10/05

TinkerBell「なつドキ! ハーレム」の感想【攻略度100%版】

2009年7月に発売されたTinkerBell発売エロゲー「なつドキ! ハーレム」をようやく全クリアしました。プレイ時間のペースを大まかに振り返ると、1~2週間に3~4時間ずつといったところ。発売から2カ月ほどかけて、CGおよび回想シーン開放率100%となりました。ちなみに購入直後の一言感想はすでにアップしております。(こちらのエントリーの文末でも若干言及)。

クリアしての率直な印象は「エロかった」。その一言に尽きます。日常を描くシナリオはごく最小限で、基本的には性交シーンを見せるためのつなぎに過ぎないと言っていいでしょう。ヒロインたちもほぼすべて“性の虜”で、もともとある主人公への好意を、性交で表現する感覚です。本作においてシナリオを云々するのは少々ヤボだと思います。とにもかくにも「自慰の補助具」だと認識した方がよさそうです。

シナリオの雰囲気は完全なコメディでなく、かといってシリアスすぎもしません。主人公は受験を控えつつも、比較的お気楽に日常を過ごします。主人公以外の男性はほぼ完全に登場せず、一部のバッドエンドで「○○ちゃんに彼氏ができたらしい」などの文章表現にとどまります。ヒロインから罵倒される様な展開、男2人の3P、寝取り・寝取られがなかった点は、「気軽に遊べる抜きゲー」を求める私としては非常に嬉しかったです。TinkerBellの前作「恋妻びより」から変化した部分と言えるでしょう。

なお各エンディングでは「こんなにセックスばかりしてて大丈夫なのだろうか」と主人公がよく思い悩やんでいます。しかし具体的にどうしようといった部分にまでは踏み込んでいません。このあたりが、以前のエントリーで言及した「微妙なダーク感」です。パーフェクトに脳天気な作品も好む私としては、やや蛇足な表現かと思いました。

さて、性交表現ですが、1シーンあたりCG2枚程度を割き、フェラ・パイズリ→本番へと流れていくのが基本的なスタイルです。ただしCG自体の使い回しは多く、共通フェラCG→異なる2種類の本番CGへ分岐するケースはそれなりにあります。テキストは変わっていますからまったくのクローンではありませんが、不満を覚える人も間違いなくいるでしょう。なお叔母の静流は亡夫への操を立てているため、ハーレムシーンでもほぼ一貫して肛門性交のみとなります。購入前段階でもっとも気に入っていたキャラだったため、結果的に性交表現が単一化した印象につながってしまい、残念でした。

射精表現の傾向は、1CGあたり1回が基本。なのでCG2枚使うシーンであれば、だいたい2回発射しているようです。かつてのアトリエかぐや作品は「抜かずの連発」が多かったですが、それと比べた場合はおとなしいかも知れません。つまりハーレムシーンなどにおいて、ヒロイン5名並べて全員に挿入する――─といったレベルの表現は確かなかった(はず)。一方で、テキスト的な尺が短いという心配はないと思います。

なお3P以上のシーンはかなり多いです。回想モードは各ヒロインおよびその他(ハーレム)のページに分かれていますが、実際には各ヒロインのページでも、固有の3Pシーンが登録されます。ただし前述の射精傾向のため、3Pシーンのテキストが異常に長いというレベルではありません。エロゲー市場全体を見ても、ここまで3P以上のCGが多い作品はないと思いますので、もう少しねちっこい長尺テキストを見てみたかった気もします。

このほか私が気に入ったのは、おもに声優の演技面です。特に水純なな歩演ずる千歳は、正統派幼馴染みヒロインながら、性交を重ねるごとに快楽表現が激しくなり、呂律があやしくなるほどの喘ぎに到達します。シナリオ序盤と比較してのそのギャップは、実写AVや30分のエロアニメでは恐らくお目に掛かれないであろう、長時間に渡ってプレイするエロゲーならではものと思えます。まさに堪能させていただきました。

また、かわしまりのも言わずもがなの安定ぶりを発揮。個人的に初めて聞いた野々村紗夜の演技も、印象に残りました。なお淫語・卑語表現は全編通じて極めて多く、ピー音および無音による消しもなし。このレベルになれてしまうと、他の作品の消しが不満に思えるほどです。プレイヤーの興奮を誘う意味では、かなり高レベルでしょう。

ゲーム性については、アンロック式の攻略チャートを用意するなど一工夫見られます。ヒロインの名前や顔アイコンを選択するタイプではなく、自分自身の行動を選んでいく方式。初回プレイから狙ったヒロインのルートへ行けるかはちょっと微妙ですが、トライ&エラーで大半のシナリオへ進行できると思います。万一の場合は、攻略サイトも充実しているのでそちらを参考にするといいでしょう。

以上、全体をプレイしての感想です。一部キャラが肛門性交のみといった、個人的趣味面での残念さはありますが、抜きゲーとしては非常に高レベルだったと思います。あとはプレイヤー自身の性表現嗜好にあうかどうか、だけかもしれません。キャラクターデザインなどが気に入れば、遊んでみて損はないでしょう。私自身、トータルでの満足度は非常に高かったです。

その中であえて“要望”を挙げるなら、ハーレムシーンの質・ボリュームをさらに向上させてほしいと思います。例えば、本作では静流と綾華(母と長女)差し向かいの3Pはありません(6Pシーンにおいてはある)。また、ヒロイン勢が主人公への肉体的興味ゆえに許容する「他の女性を交えた3Pもやむなし」という傾向を、女性同士の恋愛レベルにまで踏み込ませてもいいでしょう。

かなりまとまりのない感想になってしまいましたが、TinkerBell次回作への期待の裏返しと思っていただければ幸いです(直近は触手ものらしいのでスルーしますが)。

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