2009/07/04

「無差別恋愛」全クリア後の感想

6月26日発売のOZ PROJECT(イメージクラフト)「無差別恋愛」をクリアしました。1日2~3時間ずつ、3、4日ほどかけてプレイ。既読重複は除いて、ほぼすべてのシナリオおよびエッチシーンを音声スキップさせることなく読み、CG・回想モードの枠がすべて埋まった状態を迎えています。なおプレイ直後の第一印象をすでに掲載していますので、あわせてお読みください。

まずシナリオ全体の方向性ですが、基本的にはほぼすべて主人公とヒロインによる和姦になっています。シナリオ冒頭こそ主人公がやや辱められる展開ですが、陵辱感はあまりありません。男女ともどこか性交を期待している予兆があります。シナリオの調子としてはコメディでもシリアスでもなく、ポジティブな意味で“抜き”だけを追究した仕上がりになっています。

私が気にしていた主人公以外の男性描写は、ほぼゼロに近い。ヒロインの1人・恵美の夫だけはシナリオに関わってくる(立ち絵や顔の表示はなし)きますが、それ以外は登場しません。この恵美だけはビッチといいますかインモラルといいますか肉体関係優先といいますか、電車内性交や夫を交えての3Pがある変化球的存在で、個人的には苦手な展開でした。

その他ヒロインは、基本的に主人公以外眼中になく、好意を全面に表してくれます。なおあらすじにもある主人公の兄ですが、ヒロイン・綾(兄嫁)との仲は芳しくなく、セックスレスの上で別の女と浮気している設定で、実体は登場しません。綾自身も主人公への好意を持っています。

ゲーム性については、シナリオ序盤で2択選択肢が最大4回程度出現する程度で、難しくはありません。既読スキップもありますので、その気になれば短時間で全シーンを回収できると思います。ただしエンドクレジットはスキップ不能の模様。一度みたエンディングの際はもしかしたらスキップできるかも知れませんが、未検証です。

エンディングは各ヒロインごとの個別エンド、母娘丼、全ヒロイン登場(ハーレム的展開を予想させるにとどまる)の合計7種類。共通部で多少分岐があるものの、個別シナリオ進行後の性交シーンは基本的に1~2シーンずつにとどまります。相手への告白をしてラブラブになった直後にエンディングになってしまうため、もう少しその後を見たい気持ちもありました。

ゲーム全体のボリュームはCGが約80枚。対して回想シーンの登録は30。これが示すとおり、序盤やエンディング以外、1シーンあたりのCG枚数がほぼすべて3枚ずつという贅沢な造りになっています。 テキスト的尺は中の上といった印象ですが、シーンごとの射精表現回数はあまり一定していません。CG3枚使って1~2回の時もあれば、1枚のまま2回であったりと色々です。私の好みだけを言えば、シーンあたりのCG枚数を減らしてその分別のシチュエーションを増やして欲しいとは思いますが、方向性としてはなんら否定されるものではなく、むしろ好みに思う方もいるかもしれません。

基本的に、主人公が住むマンション内で話が進むため、屋外性交などはかなり少数派。主人公やヒロインの部屋で性交するケースがほとんどです。バリエーションという意味では魅力薄かもしれませんが、個人的にはこのほうが落ち着いてできる (女性を労っている感がある)ので良いと思いました。

このほか性交シーン関連で気付いたのは、挿入やピストンに伴う効果音、女性の喘ぎ声などをバックグラウンドで鳴らし続ける表現がないこと。メッセージを読み進めてもボイスを切らない設定は可能ですが、ちょっと寂しい気もします。また声優名は公式サイトなどで公開されていませんが、エンドクレジットで確認できます。
  • 綾:手塚りょうこ
  • 美智恵:市奈あき比
  • 梨加:柊ことり
  • 恵美:ひかる
  • 真沙子:奥川久美子
初めて名前を聞く方もいますが、トータルでは演技面の不満ほぼなし。強いていえば、柊ことり氏がちょっとたどたどしいかも知れませんが、性交シーンで白けることなどはまったくありませんでした。

それと少々驚いたのが、エンドクレジットに表示されるスタッフの人数です。上記の声優5名に加え、原画の鈴木FALCO氏、シナリオの魔王タン氏、テーマソングの作詞・作曲以外は制作進行のキキ氏のみという陣容。普通であればディレクターやプロデューサー、CG担当者の名前などがズラっと並ぶはずですが…。こういった面からもこの作品の特殊性を想起してしまいます。

なお作品の難点に挙げられるのが、誤字・脱字を含めたシナリオ面での不備です。例えば、公式サイトでは未亡人と紹介されているヒロインが本編では離婚者扱いになっていたり、 事前情報と異なっている表現がいくつかありました。自慰という本来の目的への影響は少ないのですが、どうしても「やっつけ感」を覚えてしまい、シナリオ以外の別の部分の魅力を損なう可能性も否定できません。

以上、実際にプレイしてみなければ分からない部分を中心にまとめました。作品を一言で評するなら「標準的な抜きゲー」。原画が気に入ったならば満足度は高いと思いますが、良い意味での予想の裏切りを期待した場合には物足りないかもしれません。

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